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グエン・ミン・ハイ
グエン・ミン・ハイはその日の夕方に連れられてきた。チェー軍曹のジープが止まり、朝日楼にずかずかと現れた。
ジムはチェー軍曹が嫌いだった。目上には媚びるくせに目下には横柄だからだ。父親のチェー大将は軍師としては立派だが父親としては失格だったようだ。少尉であるジムにはぺこぺこするが、上等兵のハイには横柄な物言いだ。顔立ちはスターのようだが中身のどす黒さを知っている身としてはちっとも美しく見えない。
ハイは浅黒い肌を持つ坊主頭の男だった。目は糸のように細いが、顔立ちはスッキリしたなかなかの美丈夫だ。どこか貴族的な雰囲気もする。背丈は高くはないが、軍として鍛えているからか、小さくは見えなかった。
「ハデス部隊グエン・ミン・ハイ二等兵、本日よりモンスター対策局に出向いたします!」
美しいテノールが響く。
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