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ジムは二人から軍在籍時代の話を聞いた。といっても喋っているのはサンダーばかりでジムは相槌を打つばかりだった。
「で、ドゥックが売春宿の自慢をするから俺は言ったわけよ。「お金払うのか、知らなかった」とね。俺はむしろパンツに札束ねじ込まれてまた逢いたいと言われていたからね」
「あったな、そんな話」
二人の柔らかい表情を見ていたら、ジムも心が和んだ。
「そうだ、ジムはヴァイオリンの名手だよ」
ハイは照れたような顔をした。
「名手というほどでもない。ミューズ隊に志願した事はあったが、ハデス部隊にいるしな」
ミューズ隊とは軍楽隊のことだ。
「ハイ、ヴァイオリンは」
「取りに行く時間がなかった。」
ジムはジープの鍵を貸した。
「大事なものなら早く取りに行きな、ガイ」
この話し方も板につき始めてきた。
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