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チェン・レイ
チェン・レイとは軍幹部立ち会いのもとで面会をした。
第一印象は悪魔的と感じた。一般的なエリアO民にしては彫が深く、神秘的な美しさがあった。目が合うと、自分を見透かされているように感じた。
坊主頭の毛は少し伸びていた。寝起きだったのか、タンクトップに刑務所支給の上着を羽織っていた。タンクトップ越しに見える筋肉は見事なもので、彼がボクサーを自称しても信じてしまいそうだった。
何より彼からはむせ返るような暗い何かを感じた。それが何かはわからないが、色気というのが一番近いかもしれない。
「寝起きでシャワー浴びてないです。臭いかもしれません」
エリアOの訛が強い言葉を話した。
「そんなことないよ。単刀直入に始めようか」
彼に、釈放の条件としてモンスター対策局に入ることに同意するかを聞くと、あっさりサインをしてくれた。
「実はおたくの上司かな、ヘレンという人がきて、既に話はしています。その時に誓約書の内容は聞いてます」
サインをすると握手を求めてきた。
「じゃ、二週間後の三月三十一日にね」
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