好きだからキスしたい

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明日は期待って、俺からキスってことだよね……? 自室で真っ赤になりながら、玲央くんにキスをするところを想像してみる。 玲央くんが目を閉じて、俺から玲央くんに顔を近づけて、そっとキスを――――だめだ。想像だけでくらくらする。恥ずかしすぎて倒れそう。玲央くんはいつも簡単にするけど、すごすぎる。 カーテンを開けて窓の外を見ると、玲央くんの部屋の窓が見える。カーテンが閉まっているけど、玲央くんが確かにそこにいるんだと思うとまたどきどきして頬が熱くなる。カーテンが開いたらいいな、と少しそのまま見ていたら本当にカーテンが開いた。玲央くんが俺に気づき、驚いた後に微笑んでくれる。 「気づかれちゃった……」 これも恥ずかしい……。 玲央くんが口をぱくぱく動かしてなにか言っている。なんだろう。俺が首を傾げると、もう一回口をぱくぱく動かす。わからないので首を横に振ると、玲央くんは手元でなにかを書くような動きをして、ノートを俺に見せた。『す』と大きく書かれたページがこちらに向けられる。 「す?」 次に大きく『き』と書いてあるページを見せてくれる。 「き……」 “好き”……。 頬がかあっと熱くなる。そんな俺の反応に玲央くんは笑っている。そしてなにか思いついたような顔をしてから、もう一回『す』を見せてくれた。 「す」 それから『き』をこちらに見せてくれる。 「き」 “好き”、かぁ……。 嬉しい、と思っていたら、玲央くんがちょっと意地悪に見える微笑みを浮かべて、今下ろしたばかりの『き』をもう一回見せる。 「き?」 次に『す』をこちらに向ける。 「す……」 “キス”……! 頬だけじゃなく、耳まで熱くなる。真っ赤になった俺に、玲央くんは笑いながら手をひらひらと振っている。悔しいけど勝てない。俺も手を振ってカーテンを閉める。本当に同じ高一なのかな……?
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