選定の任命

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選定の任命

干支(かんし)界の一番大きな国、辰巳兎(しんみう)、この国の皇がわざわざ弱小家系の一族を訪問して私に言った言葉、 「余はお前を可愛がることはしない、虐げることはしない、ただ見ているだけだ、だが私の娘になりなさい、息子はどれでもいい」 皇の3人の息子、皇子の中から一人を選び嫁げと皇は言う、鼠色の髪と目で、顔に鱗のような痣のある醜い地味姫と言われる私にだ。 「皇の仰せのままに」 かしずく私を見下ろす皇の顔はわからない、今日から私はお城に召し上げられる、皇の血筋とはいえ末席の小さな慎ましい村を収めるだけの家の、呪力も弱く醜い地味姫が将来の皇后として才能ある皇子達を選ぶのだ、これはそんな私と皇子達の話
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