ションブルに花束を。

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 ひとまず傾聴を以て、彼を理解する必要がある。 「ホゥクをハントした際……失礼、これでは伝わりませんね。本来ジャパニーズはとても慎ましいレイスですが、敢えて直接的な言葉を用いましょう。小便の後、身体がブルリと震えました。その時、貴方はこう考えているはず…」  彼が一体何を思い、その斬新な思想を他者に伝えるのか。 「ディス!イズ!ションブル!これがもっと欲しい!」  後ろ指を差される覚悟があるのかを。 「そう、欲しい。そのグリィド、本質です。私達はとても欲深い。ひとつ得られたらみっつ欲しがる。とても我儘なエグジスタンスです」  求道。  正しく、彼は探し求め、その歩みを止められなかった。 「湧いた欲望を収めるウェイはメニーカインズオブです。飽きるまで叶えたり、誰かと思いを共有したり、あるいはいっそ忘れてしまうのもワンつのハンドでしょう」  彼の探求に満足はない。 「ナウからお話するのは、ひとつのアイデアです。より上質なションブルを得たい貴方へのアンサー」  故に、終わりがないのだ。  大玉の上に乗る道化の様なものである。降りなければ果てはない。 「ションブル!このインクレディブルな生理現象!」  そして、彼はもう決して降りる事はない。 「いま貴方の頭の中にある不定形なグリィドゥ、先ずはシェイプのギブンからはじめましょう」  なぜならここは輝く舞台の上ではなく、また、彼を称賛する観客も存在していないからである。
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