3.浮気の証拠?

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「あのね、メッセージに書いた話なんだけど、今度の土曜にお見合いするの」 「見合い?夏、俺がいるのにお見合い?」 「叔父様が知り合いに頼まれて顔を立てて欲しいんだって。断る前提のお見合いなんだよ」 「そうか……それなら仕方ないか」 「ねえ尚哉。断る前提でも私が男の人と会うからって尚哉も女の人と会うのはダメだからね」 「そ…そんなこと、するわけないだろ。俺は夏だけだからな」    また。目が泳いでいる……延ばされた手の腕時計に目が行った。 「あれ?傷ついてる?」 「ん……?ああ、先週、引っかけたみたくてさぁ。ちょっと落ち込んだよ。夏から貰った大切な宝物なのにな」  大切にしてくれているのは正直言って、本当に嬉しい。    まあ、その言葉が本心なのかわからないけれど…  尚哉からは泊まっていくかと聞かれたが、平日だからと断った。まさか同じ服装で出社するわけにもいかないし、一度家に帰るにしても時間がかかりすぎる。  それに、こんな気持ちで泊まるようなことはしたくない。泊まるということは、そういうことをするということだ。  とてもじゃないが、今の心境では触れ合うだけでも勘弁してほしい。
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