7.鷲生SIDE

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 レストランの予約時間まで、そこで話をしながら時間が来るのを待っていたが、久しぶりにリラックスして話せたような気がする。  私の家のことや、収入、ステータスには全く興味を示さないことに今までの相手とは違うと感じて、そんな彼女のことをもっと知りたくなった。  彼女は幼い頃から母親とともに暮らし、父親と兄とは離れて暮らしているらしい。  両親は離婚しているわけではなく、父親が仕事の関係で都内に、母親は体調の関係で母方の実家でもある郊外で暮らすことを選んだそうだ。  両親の関係は良好で、時間が空いたときは家族で過ごしていると話していた。  わずかな時間でも頻繁な行き来があるらしく、彼女自身、その事を不思議に思ったことはなかったそうだ。     家族のことを話している時の彼女の表情は優しい笑顔を浮かべ、その声も弾んでいる。家族のことをとても大切に思っていることがよくわかる。  仕事では管理部直轄の資料部に配属されていて、そこで色々な資料を集めたり作ったりすることが楽しいらしい。  プライベートも充実しているようで、今回の見合い話は白石建設の社長から頼まれたとのことだった。社長の覚えがいい優秀な社員と言うことだろう。   これだけ綺麗な女性なら彼氏がいても不思議ではないが、どうやらその彼氏に浮気疑惑があると表情を少し暗くしながら話してくれた。  正直、そいつは見る目がないのだろう。  そして自分の勝手で彼女には悪いと思ったが、このあと数回時間をもらうことにも納得してもらい、これで当分は見合いなどというくだらないものから解放されると安堵した。
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