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2.舞い込んだお見合い
翌週の仕事始めの月曜日。
尚哉に送ったメッセージに既読が付かないスマホの画面を見ながら、眠れない週末を過ごして、明らかに疲れ顔で出勤したところを三屋先輩に呼び止められ、ひとしきり心配されてしまった。
「姫!どうしたのその顔?」
「三屋先輩……」
先輩の顔を見ると、なんだかホッとして涙で視界が滲んできた。寸でのところで涙ととどめ、先輩に縋りついた。
するとそのまま誰もいない会議室に引きずり込まれ、洗いざらい吐けと言われたけれど、流石に会社だし、始業時間はもうすぐだ。
仕事終わりに改めて時間を取ることを約束させられ一旦解放された。
その日は一日中、仕事に身が入らず失敗しそうになることも多々、ほかの人にカバーしてもらうことも多々あり、午前の業務が終わる頃には自分のふがいなさに落ち込んだ。
こんなことで自分が築き上げてきた評価を落とすわけにはいかない。気持ちを切り替えようとお昼の食事は豪勢にしようと考えていると、叔父でもある白石建設の社長から呼び出しがあった。
呼び出しというかメッセージが届いたので個人的なことだろう。
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