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龍という駄作
気合いを入れずに やはり ぐうたら
半分くらい 居眠りしながら
なまぬるく
龍の駄作を書いてしまった
ところで 駄作 という概念について
ここらで 少し 説明してみたい
人生そのものを 駄作とする
勇気があるか?
君は どうかね?!
一度きりの人生なんだから
美しい芸術作品のように仕上げたいか?
そう考えて力むと
日々 恥をかきたくないとか
日々 完璧に仕事をこなしたいとか
いろいろと疲れ果ててしまわないかね?
しかし 最初から
人生なんて どうでもいい とは
思いたくないのが人間だ
何か一つくらい いいことをしたい
何か一つくらい いい作品を遺したい
誰か一人くらい 幸せにしてみたい
誰か一人くらい 親友を作りたい
などなど 一つでも 一人でもなく
いろいろ欲張ってしまうのが人間だ
そこで!
人生 というほど大袈裟に構えず
作品 という程度に軽く考えてみる
駄作を避けたいと考えた場合には
初めから起承転結を考えたり
気を衒ってみたり
何かしら感動的な結末を演出しようと
作家は無理矢理 ない知恵を絞って
物語を盛り立て まとめようとする
その行為の主目的は
何であろうか?!
他人に賞賛されたい ということ?!
他人が感動して賞賛し
何かしらの賞を受賞できたなら
何かしら満足するのか?!
もちろん それはそれでいい
だが 僕は最近 そうではない
まったく違う価値観に気づいた
作品を書く時
まるで何の見通しも立てず
言いたい放題 書きたい放題 書く
他の人に理解されようなどという
少しの配慮もなく
自分の神経にピンと来た単語や思考を
テキトーに並べたり バラバラにして
何か新しい景色が見えないか
自由気ままに遊んでみる
それが駄作挑戦作品である
既成概念に囚われていると
当たり前のことを ぐるぐる考えて
ありきたりの結末にたどり着く
そんなことは ただ時間の無駄だ
つまり駄作挑戦作品は
敢えて武器も持たず 何の武装もせず
敵の弾が飛び交う最前線に
素っ裸で突っ込んで行くこと
メタメタにやられたって
実際に健康的被害はない
敢えて ズタボロに砕け散った
己れのカケラを拾い集めて
己れの弱み 強み 醜さ 欲望などを
じっくり観察してみると
他人から見た己れの卑屈さや
バカバカしさが
丸見えになる
駄作でなければ こうはいかない
駄作であればこそ 己れが砕け散り
普段 己れの隠そうとしている恥部が
丸見えになる
それが見えて 初めて
次への飛躍がある
次への期待がある
次への浪漫が広がる
駄作を恐れてはならない
駄作に秘められたパワーを解放し
新たなる浪漫飛行の旅に出るためにも
僕は 臆せずに 駄作を書く
それは
心象スケッチブックかもしれない
気ままな神経反射の記録かもしれない
より肉体的に自然なもの
より精神的に不自然なもの
まさに龍の仕業のように
眠って待つくらいの余裕があると
すんなり生まれ出るもの
駄作
龍は 人間が作った駄作であり
神が 作ったものではない
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