1.ミスター&姫、そしてモブ!

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1.ミスター&姫、そしてモブ!

 私という人間を一言で表すならば『いたって普通の子』だ。  それ以外に言いようはないと思うんだよね。  身長155センチ、体重48キロは、高校一年生女子なら平均くらいだろうし。  栗色の髪の毛だけはキレイと褒められるけど、顔は普通だと思う、思いたい、可もなく不可もなくな感じ、多分、うん多分。  通っている花見が丘高校もレベルとしては、中の中。  成績も一年三組の中では、真ん中くらい。  一人でいれば絶対に目立たない。  ネガティブに言えば、私一人くらい消えたところで影響を及ぼすような存在ではないはず、悲しいけれど。  ただし、これはあくまで私一人、一個人であればの話。  今朝もまた靴箱に入っている白い封筒に大きなため息が出る。 『望月(もちづき) 風花(ふうか)へ』と書かれているからには、私宛てで間違いはないし、呼び捨てなのは断じてラブレターなんかの心浮かれる類の手紙ではないから。  定規をあてて書いたような角ばった文字は差出人の特定を防ぐための小細工が施してある。  今日はたった一通だし(三通入ってたこともあった)中身はわかってる、でも気が重いのは日々変わりなし。  高校に入学してからまだ二ヶ月の中で一体これは何通目?  丁寧に貼り付けられた封を破り、中から便箋を取り出し、ため息混じりに開いた。
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