3.後悔

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 * 「大切な人が亡くなったら、けいくんは泣くんだ」  聞き覚えのある声。  さすがの俺も冷静だった。  田畑さんと話したその夜は、決まって夢を見る。 「泣くと思う」 「私がこんな目にあった時も泣いていたからそうだろうね。俺のせいだって泣いてたもんね。でも、それって、自分がかわいそうだからじゃ……」 「それはもう昼に聞いたよ」  怯まないように、語気を強める。 「俺は確かに自分を責めたし、後悔した。それが自分を思ってのことだって言われても仕方ない。でも!」  サラサラと髪が揺れ、振り向く。  ……目の前の女は顔がまっさらの、のっぺらぼうだった。 「はっ」  冷や汗が体中だらだらと流れ、空気に触れると寒気がする。  こんな夢ばかり見るのは、きっと自分の中で心にこびりついているからだ。  だからといってどうすればいい。  悪いのは俺だ。そんなことはわかってる。  じゃあこの思いを吐露したら全て解決するのか。それこそ自己満じゃないのか。 「啓太~、起きなさい。学校遅刻するよ」  布団を払いのけ、パジャマを脱いだ。
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