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「あ、あのさ、田畑さん」
「ん?あ、おはよう青木くん。どうした?」
「今日、放課後ちょっと話せない?その、自己満なんだけど、伝えたいことがあって……」
言いながら顔がカーッと熱くなっていく。これじゃあ好きだと告白するみたいじゃないか……。
「いいよ。ただ、何時くらいまでかかりそう?17時になったら用事があるから帰りたいんだけど」
「す、すぐ終わるから。大丈夫」
「そう。じゃあ、放課後どこ行ったらいい?」
「社会科準備室に、お願い」
「わかった」
ガタガタ震えている俺とは対照的に、田畑さんはサラッとなんでもないように返事をし、そのまま読みかけの文庫本を開いて読書をし始めた。
窓から吹く風は生温かく、田畑さんのサラサラの髪の毛をなびかせた。
*
「お疲れ、田畑さん」
「お疲れ。話ってなに?」
「あ、あの、その……」
息を吸う。
「田畑さんって、苫田美穂子の、妹……?」
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