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「おはよう世界!」
俺は無駄のない精錬された動きでベッドから床へ転げ落ち、ふらりと立ち上がって部屋の窓を押し開く。
大して心地良くも感じないような、生ぬるい微風が頬を撫でた。
さっと制服に着替え、空間魔法で呼び出したパンをトースターに押し込んだ。
コーヒーの入った瓶を取り出してはグラスに注ぐ。
昨晩夜更かししたお陰か体には気怠さが残るが、精神的な活動が活発になればどうにかなるものだ。
例えば、他人の役に立つビジョンを思い浮かべるだとか。新しい知識を得て成長した自分を思い浮かべる。
今日の行動を思案しつつ、今朝の新聞に目を通す。
此処へ載るのは、政治的な変化よりも冒険者達の英雄譚や零落についてだ。
最近、学園で殊に話題に上がるのは、素性の知れぬ冒険者。
一方で、新聞に載るのは著名な人物。
どちらだって二つ名があればそれを大きく取り上げて他人の気を引く。
そんで事実無根の事柄ですら、つらつらと。
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