二日酔いマジシャン

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昨日の仕事終わり。 新入社員の歓迎会があり、参加した。 今日のマジックショーがあったから、俺は早々に引き上げるつもりだった。 しかし、新入社員の内の一人が極度の人見知りで、今回の主役のはずなのに一人ぼっちで座っていた。 派手な女性だったら男が放っておかなかったのだろうが、残念ながら彼女は地味だった。 一人で純文学を読んでいるのが目に浮かぶくらいの素朴さを感じる。 実際には分からないけど。 近くに座っていた俺は仕方なく相手をしていたのだが、口下手な俺では会話が続かず、飲むペースが速くなってしまった。 沈黙が続くことに居心地が悪くなった俺は、タネを仕込まずにできるちょっとしたテーブルマジックを見せることにした。
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