5.旦那の友人

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 病院の屋上にやってくるなり、壱護はげんなりした表情を浮かべる。  ちなみに屋上には誰もいない。 「何の真似だ」 「壱護があまりにも帰ってこないから夫婦仲の危機って思われそうだなぁと思って。新婚旅行の写真ちまちま上げるのもそろそろマンネリ化だし」 「だったら来る時に言えよ」 「サプライズの方がそれっぽいでしょ?」  壱護は大きく溜息をつきながら、屋上のベンチに座った。 「まあいいや。ちょうど昼飯まだだったし」 「はい、お弁当」 「本当に作ってきたのか」 「料理できなさそうって思われてそうだから、できるところを見せたくてね」 「ああ、てっきり下手くそだと思ってた」  そう言って壱護はパカっと弁当箱を開ける。  豆腐ハンバーグ、卵焼き、煮物、プチトマトにポテトサラダ。ご飯は玄米で梅干しも乗っている。  ヘルシーだけど満足感のあるラインナップだ。 「……うまそうじゃん」 「モデルもアスリートも体調管理が大事だからねっ」  豆腐ハンバーグも杏葉が一から作ったものだ。  壱護は豆腐ハンバーグを箸で掴み、一口食べた。 「うまい」 「でしょう!?」  豆腐ハンバーグは柚葉も大好きな得意料理の一つでもある。  壱護は箸が止まらず、パクパクと口に運んでいた。 「はい、お茶」 「お、サンキュー」
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