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「……杏葉」
自分に向ける視線に確かな好意が見え隠れしていることに気づいていたが、隠せていたと思っていたらしい。そんなところも愛しいと思う。
少し触れるだけでビクッと体を揺らす。
怖がらせないように優しく頬を撫で、ついばむように唇を重ね合わせて舌を絡め取る。
「ん、ん……っ」
まだ慣れてないけれど、応えようと必死な姿が更に壱護を掻き立てた。
「なぁ、杏葉のこと抱きたいんだけど」
「はあっ!?」
予想通りの反応に思わず笑みが溢れる。
「いやっ、あの、私……っ」
「嫌か?」
「嫌じゃないけど……っ」
「じゃあ抱く」
「待って!!」
杏葉は思いっきり両手で壱護を制止した。
「なんだよ」
「き、今日はダメ……!」
「なんで?」
「今日は、下着が……」
顔を赤らめて壱護から顔を逸らし、モゴモゴと口籠もる杏葉。
「し、下着が、かわいくないから……」
小さな声だったが壱護の耳にはしっかり届いていた。
「脱がせるんだからなんでもいいだろ」
「良くないっ!!アズハとしてのプライドが……っ」
この期に及んでまだそんなことを気にする彼女がかわいくて仕方ない。
抵抗する杏葉の腕を取り、あっという間に組み敷く。
「――杏葉、いいだろ?」
「……っ」
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