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「この話を知ったときから、少し引っ掛かっていたんだよ。どうして女は、玄関の前で捕まったんだろう? 脱出するなら、窓から出て行くことだってできるし、その方が早くて、男たちに見つかる危険性も低かったはずだ」
そこで、僕らも気が付いた。
文丈は首を縦に振る。
「この〈くりえいてぃ部〉は、全部の窓に鉄格子が嵌っているからな」
その言葉に、場は静まり返ってしまった。
締めくくりに、文丈はニヤリと笑う。
「此処で霊が出るとしたら、緩やかの奴よりも、その女の方かも知れない。床を這うような音が聞こえたときには、要注意ということだ……」
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