深夜二時過ぎ、娯楽室の怪

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「そうか。死体は首から下が埋まっていたな。あれでは分からないが、あいつはサラシを巻いているファッションだったんだ」 「サラシの上には、なにも羽織ってないんですか?」 「なかったな。坊主頭にサラシで徘徊(はいかい)する、お祭り野郎さ」 「変態じゃないですか」 「そう云ってやるな。よさこいをやっていた祖母の、形見の品だったそうだ。沢子が韻を踏んでいただろう? なんだったかな……畳の下に、形見の品の、サラシの死体だ!」 「ああ……」  別にそれで納得もできないけれど。 「考えてみれば、凄い小説のアイデアを持っていたのに殺されたわけだ。非業の死じゃないか。霊となって、この〈くりえいてぃ部〉を彷徨(さまよ)うのも無理はない……」 「そうかも知れないですね」  あまり霊とかを信じていないので、身の入っていない同意になった。  寝惚けていたか、あるいは夢を見ただけじゃないだろうか?
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