1. 自作推しぬい、喋る

1/1
前へ
/14ページ
次へ

1. 自作推しぬい、喋る

「どうせ私は可愛げがないですよ」  いっつもあの先生は嫌味を言ってくる。  生徒会議事録に可愛げも何もないだろうに。  庶民の私があの学園に通い、生徒会にまで入っているのが、よっぽど気に食わないらしい。    ため息を吐いてから、頭をブンブンと横に振った。  嫌な記憶を振り落とせたらいいのに。 「よし。気分変えてこ」  まだコートを着たままだったのに気がついて、ハンガーにかけようとした。 「そんなことはないと思うが……」  突然、ポケットの中から声がして、私は思いきり叫んだ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加