スノウドロップ〜ゼロから始める異世界麻雀教室〜

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スノウドロップ 〜ゼロから始める異世界麻雀教室〜  ここは地球とよく似た別の星『マージ』  この世界にも住む人がいて種族があって動物がいて植物がありました。ただ、娯楽という文化だけが地球と比べてあまりにも発達していなかった。  その事を知って地球というマージに似た星ではどのような娯楽があるか。最も面白いと言われる遊戯とはなんなのか。それを調査した結果ひとつの結論に至った。 『麻雀』  これがこの星で最も面白い娯楽である。という意見。そして麻雀こそ至高だと、そう言う意見の人はみな熱量がすごいということ。それは他の娯楽を推す人のそれとは比較にならないエネルギーだった。  かくして、マージに持ち帰るべき娯楽が決定した。問題は知識無しの相手にも教えることが出来る優秀な人物が必要ということだが……。 スノウドロップ 〜ゼロから始める異世界麻雀教室〜 1手目 ◉目覚めました! 「ンンッ……あー、ふぁあぁ  あ……………!!!???!?!」  目覚めるとそこには何もない、ただ地平線まで山一つなく広がっている緑の景色があった。 (ここ…どこ?? 日本じゃないわよね。オーストラリア? いや、オーストラリアでも山くらいありそうなもん……こんなに何もない場所って…ていうか、空の色、鮮やか過ぎないか? こんな綺麗に青い空なんて見たことないかも……いや、それより何よりアレは太陽なの? ……いやまさか…いやいや、まさかそんな、あのちっさいのが太陽的な?? まさかね…いや、でも、こう考えると納得いく仮説がある……もしかしてこれが) 「…異世界?」 (馬鹿げてる…んなアホな、そんなワケないでしょ! …と言うには太陽が小さすぎるんだよなー。可能性はふたつだけ、異世界か、ただの夢か…ま、夢ってことは、なさそうだけど) ガシャ 「!! これ」  ふと見ると手元に臙脂色(えんじいろ)の習字セットのようなものがある事に気付いた。これは…麻雀セットだ。というかよく見たら自分は麻雀マットの上に寝転んでいたようだ。 「私の麻雀セット。これはあるんだ……でもなんかデカくない? いや、違う。この手…この身体…これは……」 (私が小さいんだーー)  するとそこに背の低い(と言っても今の姿の私ほど小さくはないが)美しく輝く銀髪の女性が現れた。いや、本当にいきなり空間からボワッと現れたのだ。 「やっと目覚めてくれたわね。失敗したのかと思って心配したわよ」 「失敗って?」 「思い出せない? あなたはバスとの衝突事故で死ぬ寸前だったのよ。私はあなたをこの世界に連れて行くつもりでいたんだけど、まさか目の前で今まさに死ぬ直前とは思わなかった。で、本当はあなたの意思とかも確認してからお願いしようと思ってたけど死なれたら困るし咄嗟にこの世界に吹っ飛ばしちゃったわけ。勢いよく転移させたら気を失わせちゃったみたいね。まあ、転移を失敗したわけじゃなくて良かったわ」 「………はあ…」  私は言葉が出てこなかった。なにがなにやら。そもそもこれ本当に現実なの? 「……そうだ、あの、この身体は?」 「この世界に生きる種族の身体のひとつね。元の世界のままだとこの地域では目立つからとりあえずそれで」 「お名前聞いてもいいですか? 私は…」 「あなたはユキよね。知ってるわ。適した人材を調査してから行ったんだもの。ユキ・イイダ。よろしくね。私はエル」 「エルさん…よろしく」  「エルでいいわ。ユキ」 銀髪の女性『エル』の目的とは? ユキの物語がいま始まるーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 面白いと思いましたらブックマークいいねペコメなどで応援していただけたら嬉しいです。創作の励みになります。よろしくお願い致します。
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