恐怖を与える

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恐怖を与える

わたしは、夢を見た。小さな男の子が年上の女の子にイジメられていた。そして、男の子は傷だらけでアパートに帰って行った。そして、母親なんだろうか。彼女に殴られて、玄関ドアに下着姿で放り出された。男の子はガクガクと震えている。そして、泣いていた。大粒の涙を流していた。わたしは、この夢は、誰かの人生の一部だと、思った。わたしは大声を出すが、男の子は聞こえないようだ。 目が覚めた。あの夢はなんだろう?と考えた。昨日の殺人で頭が痛い。そして、外は大雪だった。目覚まし時計が鳴った。朝食を食べて学校に向かう。両親は昨日の件もあるから休みなと言うが、わたしは無遅刻無欠席したことがない。皆勤賞を狙っていた。そして学校に向かう。この行為がよくなかった。まさか、これが原因で死人が出るなんて思わなかった。 福田さんと草薙さんがわたしの警護をしてくれた。彼らに挨拶した。そして草薙さんが、何かあっても必ず守ります!!と言ってくれた。福田さんはわたしにスタンガンを渡してくれた。用心に越したことはないと言う。そして、学校に行った。みな集団登校だった。警官達が大勢いた。そして学校に着いた。教室に入るとクラスメイト達がワチャワチャと集まり、昨日の件を聞いてきた。わたしは、一部隠して話した。福田さんと草薙さんから、赤色等は伏せてくださいと言われていたのだ。クラスメイトの男の子達が言う。「そんな殺人鬼、怖くないね!!オレが捕まえてやる!!」 「30年も捕まえられていない殺人鬼にアンタが捕まえるなんて無理ゲーよ!!バーカ(笑)」 みな、この話しで盛り上がる。HRの時間になり担任の若月先生がきた。若月先生が説明する。午後には、学校から、説明会がありますから、皆さん、参加してくださいね?と言う。 そして、13時30分になり、体育館に集まり、昨日の殺人事件の話しをする。しばらくは、集団登校が決められた。そして、わたしは、眠気に襲われる。昨日、変な夢を見てしまい、昼食後だったので、酷い眠気が襲う。すると、頭の中?耳元?から声が聞こえた。 「赤色、黄色、青色。どっちが好き?」 あの殺人鬼の声だった。忘れはしない。無機質な声だった。わたしは立ち上がる。そして、みなが驚いている。若月先生が叱る。座りなさい!!と。だが、あの声がした。殺人鬼が近くにいる。わたしは周りを見る。すると、悲鳴が聞こえた。みな、後ろを振り向く。一人の女性教師が血だらけで立っていた。そして、口が裂けていたのだ。そして倒れた。何が起きたのか、誰も分からない。若月先生が倒れた女性教師に向かう。だが、死んでいるみたいだった。そして、今度は、マイクを握る校長先生の悲鳴が聞こえた。みなで振り向く。頭に、ナイフが突き刺さっていたのだ。みな、パニックになった。そして倒れた校長先生のマイクがキーンとなり、声が聞こえた。 「赤色、黄色、青色。どっちが好き?」 みな、シーンとなった。どこから出てきたのだろう。あの赤い服装、仮面を付けた、手品師の殺人鬼だった。 みな、一斉に逃げた。わたしは腰が抜けた。動けない。そして口裂きジャックが、わたしに近寄る。クラスメイトの空手のキャプテンの男子と、柔道部の先生が、口裂きジャックを捕まえようと、突撃した。空手のキャプテンが体当たりする。だが、殺人鬼は、冷静に彼をサバイバルナイフで頭、目がけて刺した。今度は、柔道部の先生が、殺人鬼を捕まえた。だが、口裂きジャックの方が早かった。彼が投げた、ナイフが先生の頭に刺さった。そして、彼らの口を裂く。笑っているように切り裂ける。大多数の先生と生徒が逃げ出した。残ったのはわたしだけだ。そして、殺人鬼が一歩また一歩と近寄る。倒れたわたしを見下ろし、また聞く。 「赤色、黄色、青色。どっちが好き?」 わたしは、震えてなにも言えない。 救世主が現れた。福田さんと草薙さんと他2名の刑事、合わせて4人が助けにきた。 「動くな!!動けば射撃するぞ!!!」 と、みな、拳銃を向ける。だが、口裂きジャックは怖くないらしい。ナイフを投げた。ぐぁ!!と一人腹にナイフが刺さる。 「発砲しろ!!!!撃て!!!!」 福田さん達が撃つ。だが、人間の動きではない避け方で口裂きジャックは避ける。まるで、CGのような動きをする。そして、また、ナイフを投げた。また、一人、頭にナイフが刺さる。即死だった。福田さんと草薙さんも移動しながら撃つ。だが、当たらない。そして、口裂きジャックは、満足したのか、体育館の非常口から逃げ出した。わたしの周りは死体だらけだった。後にこの残忍な行為は後世まで伝わる。
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