再会は初夜の予感

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再会は初夜の予感

 まさかこんな展開になるなんて予想もしていなかった。  たった今、同窓会で再会した高校のクラスメイトだった男とその場の流れでホテルまでやって来た。  別にお互い好きな相手だった訳じゃない――それなのに――。 「あのさ、男としたことある?」  突然、上目遣いでそう問いかけられた。  あの頃からやけに綺麗な奴だなっていう印象だったけれど、10年越しに会ったそいつは磨きがかかったように美しさが増していて、一瞬で見惚れてしまう。 「そんなの、あるわけないじゃん……」 「じゃあ、俺と試してみない?」 「はっ? おまっ……」 「しーっ、冗談とかじゃなくて……ねえ、俺を抱いてみない?」  唇に人差し指を当てられて、真っ直ぐ見つめられたまま告げられた言葉に、断る理由も見つからなくて二人で同窓会を抜け出すと少し離れたこの場所まで来た。  一緒にシャワーというわけにもいかなくて、一人で入りながら鳴り止まない鼓動を右手で抑えてみる。  自分の手に振動が伝わってくるくらいどきどきしていることに、余裕のなさを感じて思わず「かっこ悪っ……」と声が漏れた。  シャワー室から出ると、ベッドの上に座っているそいつが俺を呼ぶ。  引き寄せられるように近づき隣に腰を下ろせば、ベッドについた手にそいつの手が重なった。絡まる指をきゅっと握ると、ゆっくりと顔が近づいて軽く唇が触れる。 「んっ……」 「キス、好き?」 「さあ……」 「ふふっ、俺はね、すごく好き……」  そう言って、絡まっていた指がほどけると、首へと回されて食むようなキスを繰り返す。  ちゅっ、ちゅっというリップ音が鼓膜の奥へと響いてきて、背筋をぞくっと震わせた。 「お前、男としたことあんの?」 「それは、秘密だよ……」 「なんで……?」 「言ったらつまんないでしょ?」  はぐらかすように視線を逸らしたそいつの顔を自分へと向き直させると、今度はこっちから深いキスを仕掛けていく。  お互いに夢中で舌を追いかけながら透明な糸が口の端から垂れ始めていた。 「触れていい?」 「うん……」  すでに勃ち上がっている中心部分を優しく包み込むように握れば、「あっ……」とくぐもった声が耳に届き、ゆっくりと上下に動かしていく。  自分のモノにしか触れたことがなかったから不思議な感覚なのに、聞こえてくる息遣いにもっと感じて欲しいという思いがどんどん大きくなっていた。 「んっ、あっ……」  透明の先走りが溢れだしてくるのを指に絡めとり、滑りを良くしてからさらに動きを早めていく――。 「あっ、あっ、やばっ……イキそう……」 「いいよ、イって」 「でも、それじゃあんたが……」 「俺はいいから……」  俺の腕を持つ手が震えていて、そこから伝わってくる限界の近さに、きゅっと握る力を強めて擦りあげれば、「あぁっ……」と身体を震わせて白濁を飛ばした。 「ねえ、今度はあんたの番……」 「いやっ、俺は……」  実は、誰かに触れたことも触れられることも初めてだなんて言えなくて触れられそうになるのを阻止しようと両手で被った。 「どうしたの?」 「べ、別に……」 「ほらっ、手どけて……?」  柔らかい手で被っていた手を握られると、言われるままそれをどけた。  それと同時に、入れ替わるようにそいつの手が俺の大きくなった部分を握ってくる。  それだけで、ぴくりと反応してずんっと大きさが増した。  人から与えられるものがこれほどに快感だということを初めて知る。 「うっ、はぁっ……」 「あんたの、でっか……」 「ちょっ、あ、もう、あんま……」  楽しむ余裕もなくすでに吐き出してしまいそうな欲望がそこまできていて、一瞬そいつの手を止めた。 「んっ?」 「ごめん……」 「大丈夫だから……」  そいつは全部わかっているかのように優しく微笑むと、おでこにちゅっと口づけて再び手を動かしていく。  その瞬間、びくんと身体が震えて俺の先端から勢いよく何かが飛び出した。 「はぁっ……うっ……」 「ふふっ……もしかして、初めてだった?」  耳元で囁かれた言葉に、静かに頷く。  まさか、自分がこんなにも余裕なく終わってしまうなんて思ってもみなかった。  恥ずかしくて顔も上げられない。 「続きはまた今度、ねっ?」  覗き込むようにして、そいつが綺麗に笑った。       syo☆さんは「攻め視点」で「同窓会で再会した」二人の「大失敗する」濡れ場をかいてください。 というお題で書かせてもらった作品です。
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