キュウドウ部を探せ!

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キュウドウ部を探せ!

入学式から3日後の始業式の日、ホームルームが終わってから、わたしは早速弓道部を探したのだった。柊先輩と会うために、キョロキョロと部室を探し回っていた。弓道部を見つけるのは、案外難しくはなかった。入り口近くのわかりやすい場所にあったから、そのままわたしは入っていく。また柊先輩に会えると思うと、緊張してきてしまう。大きく息を吸ってから、扉を開けた。 「すいません、弓道部に入部したいですけれど」 キョロキョロと部室ないを見渡して、柊先輩を探しながらわたしは尋ねた。 「入部希望者? 歓迎だよ!」 弓道部の先輩がわたしの方に寄って来る。 「とりあえず、入ったら?」 もう一人先輩がやってきて、わたしに提案してくれた。わたしは「ありがとうございます」と軽く頭を下げてから、靴を脱ぐ。脱ぎ終わってから、わたしは尋ねた。 「柊先輩は今日は生徒会ですか?」 室内に柊先輩の姿がなかったから、確認してみたけれど、わたしの言葉を聞いて、弓道部の先輩たちは困ったように答えてくれる。 「あぁ……、そっちのキュウドウ部か……」 「ごめん、せっかく来てもらって悪いけど、多分あなたの探してるキュウドウブ、うちじゃないと思う……」 わたしは首を傾げた。柊先輩はたしかに弓道部って言っていたのに。
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