きみは、月の光

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 儚く響くピアノの高音は、僕の耳にいつまでも余韻を残し続ける。  まばゆいスポットライトの下、彼女の白く細い指先が鍵盤に触れた時、僕は息をのんだ。  どうか彼女が最後まで、この光の下で大切な音を奏でられますように。  きみという月の光が、僕の歩く道を照らしてくれたように。  まっすぐに、きみを夢の彼方まで連れて行ってくれますように——……。
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