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「さみしいの……」
君が、僕の腕の中で、静かに、涙を流している
「僕が、いるだろう?」
僕は、困惑して、君に告げる
「だから、余計に、さみしいの」
「どうして……? 君は幸せじゃないの?」
「幸せよ。とても……。でも、さみしさは、決してなくならないの」
僕は、どうしていいか分からなくて、君をギュッと抱きしめた
「痛いわ。そんなに抱きしめちゃ」
君が、やっと笑った
僕は、ホッとする
君が、僕といても、さみしくても、僕は、君が必要なんだ
君にいつも笑っていて欲しい
そう、君に伝えると、君は、僕の腕の中で、赤ん坊のように丸くなった
「ずっと、こうして、わたしを守っていて……」
囁くように、君が僕の耳元で言う
「うん。絶対に、ずっと、君を守るよ」
僕らは、まるで、生まれたての双子のように、抱き締め合った
いくら、さみしくても、二人でこうして生きていこう
END
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