第7話 女嫌い's転校生in黄色い声s練習試合

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第7話 女嫌い's転校生in黄色い声s練習試合

「東雲~。今度の試合、見に来るんやろ? 場所な、市立体育館な~」  休み時間に宇野がわざわざ隣のクラスからやってきた。スマホの地図を見せながら説明してくれるものの、東雲は少々悩んでいた。 「その日、模試なんだ」 「へえ、さすが学年一番やな~。まあ、賢コのやつらは受けるけどな、それ」  カシコ? 前にも聞いたな、それ。つまり賢い生徒ってこと? まあ、そのものズバリだな。それにしても、模試受けるの自由だなんて…。東京の学校は…全国模試の前はみんなピリピリしてたっけ…。  東雲の視線が斜めに少し落ちた。が、すぐに浮き上がって周りを見回す。いつもどおり、カードゲームやスマホのゲームに夢中の奴、音楽を聞いたり踊ったり絵を描いたり、ゲラゲラ笑いあう連中…。  何ていうか…。自由? 野放し? でも、偏差値は高いんだよなあ、このガッコ。不思議。  東雲は何度目か首を傾げた。 「試合時間10時な。たぶん、体育館裏に皆おるかな。…試合始まったら2階席に女子ぎょ~さんおるで~」  ぐふふっと宇野が目尻を下げて笑った。
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