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「よ~きたな、迷わんかったか〜? こいつ、初日にガッコでウロウロ迷っててんで」
誰かの声。茶髪の栗栖がいつの間にか東雲のすぐ後ろにいた。どっと爆笑が続く。
なんで知ってるんだよ。つーか、知ってんなら声かけろよ!
「廊下の窓から見えてん」
「俺はグラウンドからジーっと見てたで」
うわ! 何だよ。そんなジロジロ見られてたのか~!
思わず赤面した東雲を囲んで、ひとしきり楽しげな会話が続く。試合前だというのに緊張感のカケラもない。
「そろそろ集合せい!」
西門達が太田先生の掛け声で柔軟体操を始める。東雲は少し離れたところでそれを眺めていた。
「ほな、後でな〜東雲」
西門が東雲に大きく手を振った。彼らの姿が消えると、女子たちの群れも体育館の2階へ向かっていく。試合時間が近づいているらしい。
東雲はしばらく時間を置いてから2階の観覧席に向かった。
「お〜東雲、こっちこっち」
井藤が2列目の席で立ち上がって両手を振っている。阿部に佐々木、タコパの時にいた連中が揃っている。他にもクラスの連中が何人も揃っている。
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