第7話 女嫌い's転校生in黄色い声s練習試合

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「よ~きたな、迷わんかったか〜? こいつ、初日にガッコでウロウロ迷っててんで」  誰かの声。茶髪の栗栖がいつの間にか東雲のすぐ後ろにいた。どっと爆笑が続く。  なんで知ってるんだよ。つーか、知ってんなら声かけろよ! 「廊下の窓から見えてん」 「俺はグラウンドからジーっと見てたで」  うわ! 何だよ。そんなジロジロ見られてたのか~!  思わず赤面した東雲を囲んで、ひとしきり楽しげな会話が続く。試合前だというのに緊張感のカケラもない。 「そろそろ集合せい!」  西門達が太田先生の掛け声で柔軟体操を始める。東雲は少し離れたところでそれを眺めていた。 「ほな、後でな〜東雲」  西門が東雲に大きく手を振った。彼らの姿が消えると、女子たちの群れも体育館の2階へ向かっていく。試合時間が近づいているらしい。  東雲はしばらく時間を置いてから2階の観覧席に向かった。 「お〜東雲、こっちこっち」  井藤が2列目の席で立ち上がって両手を振っている。阿部に佐々木、タコパの時にいた連中が揃っている。他にもクラスの連中が何人も揃っている。
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