第7話 女嫌い's転校生in黄色い声s練習試合

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 ふと気が付くと、少し前に並んだ女子たちがチラチラと彼を振り返っていた。試合前に西門に声をかけてた女子たちだ。  何かなー、感じ悪…。じろじろ見んな。コソコソ内緒話すんな。  そんな不愉快さが態度に出ていたのかどうか、その中の一人が東雲に近寄ってきた。背の高い、ショートカットの細い女の子だ。ちょっとした好奇心が黒く縁取られた大きな目に浮かんでいる。 「なあなあ、あんたな、ケイのツレなん?」  いきなり言われて東雲は面食らった。  ツレ? ツレって確か、いつも一緒に居る友達のこと、だっけ? そこまでは…まだ。いや、まだって何だよ、俺。そう成りたいってわけじゃ…。いや、どうなんだろ…。そりゃ西門はいい奴だし…。  首を捻った東雲。その仕草をどうとったのか、女子が叫んだ。 「へー、そうなんや。やっばーっ」  なんだよ、それ。ケラケラ笑いながら言うな。その“やばい”を日本語に訳せよ。  不機嫌そうな東雲を面白がるように、彼女は両手を合わせると上目遣いでさらに近寄った。 「なら、あたしらと合コンせえへん? ね、あの子、ケイの大ファンなんよ。協力してくれへん? アンタも悪いようにはせんから」
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