第7話 女嫌い's転校生in黄色い声s練習試合

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「うわわ…」  最初こそ揺れたものの、スピードに乗り始めると自転車は安定してきた。東雲はずっと足元を見ていた顔をようやく上げた。 「うわあ…。」  二人の間に涼しさを残して、風が駆け去っていく。遠くまで見渡せる夕日に染まった街並み。いつもとは違う景色は新鮮で、そして鮮やかだった。風が彼らを別の世界に運んだようだ。 「すっごい! 気持ちいい!」  風が全身を撫で、すっと体温が下がったような心地よさ。思わずそう口走ると、西門も声を上げた。  風が全身を撫ですっと体温が下がったような心地よさ。思わずそう口走ると、西門も声を上げた。 「そやろー! 行くでーーー!!」  ちょうど坂だ。勢いに乗った二人の自転車は飛ぶように駆けだした。 「おおおーーー!」  西門が雄たけびをあげて笑った。東雲も笑った。  西門と一緒だからかな。初めてだ、こんなの。  胸がドキドキと波打った。自然と口元がほころんでいた。  店の立て並ぶ辺りに自転車が差し掛かると、西門はスピードを落とした。 「なんや、ええ匂いすんな~」  きょろきょろと辺りを見回しながら西門が呟いた。 「確かに」  油と醤油の香ばしい匂いが漂ってくる。
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