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おなかが減ったんだな。無理もないよ、あの運動量だもん。今もだけど。
「ホルモン焼き?」
「ちゃうちゃう。これは…。あ! やっぱり〇将や」
西門がゆっくりと自転車を漕ぎながら道の向かいを指さした。派手派手しい赤と緑の看板がドンと店名を掲げ、食欲をそそる匂いと食品サンプルで客を誘っている。
「王〇?」
「なんや知らんのかいな~。〇将言うたら、学生の味方の、安い、早い、旨いの三拍子そろった名店やがな~」
そういえば、よく似た名前の店が学校の周りにあったのを東雲も思い出していた。
「ああ、大〇王〇って近くにもあるよね?」
「それはちゃう店や! もー、ホンマ東雲はO阪の、ど素人やなー」
「悪かったね」
「ホンマの関西人のこの西門様に何でも聞いてやー! 今度、一緒に行こな、王〇! 学食のスペシャルランチにも負けん旨いもん食わしたる!」
「はいはい、ありがと」
そう応えた東雲の顔が笑っていた。
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