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もったいぶるように口走る。もう嬉しくて仕方ないように西門は足踏みを繰り返した。
「何?」
「わいに、NBAのスカウトが来たんや!!!」
上気した顔つきで、西門はその場で跳んだ。勢いつけて、一階の廊下まで飛び降り東雲を振り返る。
「どや! メッチャメチャすごいやろ~!!」
「え~~~!!! ホントに?!」
「マジやマジ! この間の練習試合な、あれ見てたアメリカ人のおっちゃんがな、夏休みにちょっと来てガンガン練習せえへんかって!」
何でそんな唖然とした顔してんねん。もっと喜んで~な~。NBAやで、アメリカやで~!
その場でクルクルと片足で回る程浮かれる西門に、質問が飛んだ。
「NBAって、どっかのチームから直接話が来たの?」
ん? 太田先生を通しての話やからな~。なんやっけ…。
西門は頭を掻きながら天井を見上げた。
「え~っと…。いや、チームちゃう」
「じゃ、どこ?」
えっと。嬉しすぎてなんや、話が吹っ飛んだもんな~。そうそう…。ガッコ、言うとったな…。
「えーっと。学校や」
「学校? 高校? 大学?」
「…カレッジとか何とか言うてたわ」
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