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西門は腕組みをすると、少々考え込んだ。
「大学だね? 強豪校なの?」
「うんうん。選手いっぱいおるメッチャ有名校や。卒業生がい~っぱい、NBAの選手になってるとこやねん」
冷静に事態を把握しようと東雲は何度も同じような問いを繰り返し、結論を導き出した。
「つまり、NBAに何人も選手を輩出しているアメリカのバスケット強豪大学のコーチが、夏休みに大学の練習に参加してみないか、って誘ってきたんだね?」
「そやそやそや! そーいうこっちゃ!」
西門は少し屈みこんで大げさに頷いた。
さ~すが! さすが学年1の賢コや! 話が早いやん。そうなんや~。
「今朝な、朝連の後に太田センセに呼ばれたんや。でな、ガッコに問い合わせがあったんやって!」
西門はピョンピョン跳ねながら口走る。
「NBAのスカウトじゃないじゃん」
なんや、その冷めた顔。一緒に喜んで~な~。アメリカっちゅうたらNBAやろ!
「わいには一緒や! ちょー近道や! ガーって一直線やで! NBAまでドーンや!」
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