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東雲はしばらく浮かれる西門を見上げていたが、笑顔で頷いた。
「うん、まあ、でも確かに。すごいことだよね。おめでとう、西門」
「ありがとうさん! バスケ部の連中の次に、東雲に一番に知らせよ思てメッチャ捜してんで~!」
ニカッと笑った西門の口元から、また八重歯が覗いた。
「…一番に?」
見上げた東雲の目が何度も瞬いた。
あ、ちょっと顔が赤なった。照れとるんやな~。そんな風に笑われると、わいも嬉しくなるやんか。東雲はホンマ素直なトコあるよな~。
「…あの…ありがとう」
うわ~。なんか…目がチカチカする! 嬉しいことありすぎて、わい、おかしぃなったんか?! まーええわ!
「なんか、東雲と知りおうてから、わい、エエことドンドン続いてるわ! サンキュやで」
破顔する西門の笑顔が、楽しくて仕方ないように輝いていた。
その日から、一層練習に身が入る西門の姿がコートにあった。そんな西門に引っ張られて、バスケ部はいつも賑やかだった。
「東雲ー。明日の土曜は何してんの?」
「え、明日?」
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