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東雲の表情がふわっと明るくなったのだ。
「どや、旨いやろ?」
西門が今度はチョコのアイスキャンデーを咥えたまま胸を張った。
「これ、初めて食べたけど、こういうのも美味しいじゃん」
「そやろー。子供の頃からな、わいら皆、ここのアイスキャンデーがめっちゃめっちゃ好きやねん!」
「…O阪って美味しいものが多いな…」
せやろー! と四方から声が飛ぶ。いつの間にか東雲も笑ってアイスキャンデーを頬張っていた。
ええ笑顔やで、東雲! オカン、GJや!
西門が母親に向かってニカッと笑った。返ってきたのもまた、八重歯を覗かせた笑顔だった。
栗栖が長い指で保冷バックの蓬〇のロゴを指さした。
「ココはホンマは豚まんも旨いんやで」
「豚まん? ああ、肉まんのことだよね?」
聞き返した東雲にすかさず数人の声が突っ込んだ。
「ちゃうちゃう! 豚まんは豚まんや!」
全員が同じタイミングで胸の前で手を何度も振った。
「……はいはい」
その光景に東雲が曖昧に笑った。
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