第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

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第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

 アイスキャンデーの礼に東雲もバスケ部の後片付けを手伝った。といっても、部員に交じってモップでコートを一巡したぐらいだ。 「ちょっと、しの…。しのなんやったけ?」  それが終わると、腕組みをして掃除を見ていた西門の母親に呼び止められた。  西門のヒョウ柄母さん、今日は黒スーツなんだ…。やっぱ、チリチリな髪型だ。…ちょっと緊張するな~。 「東雲です」 「今晩、急ぐ?」 「え、え? いや、別に…」 「あんた、王〇行きたいんやって? 圭から聞いたで。ほな行こか」 「ええ?!」  トイレでも行くように軽く言われて東雲は面食らった。 「ほんまか! オカン。もちろんおごりやろ? やったー!」  側でワイシャツに着替えていた西門がガッツポーズでまた跳ねた。ドン、と床が鳴る。ロッカーが遠いせいか、皆、体育館の隅でパンツ一丁だ。  これだから男子校は…。ヒョウ柄母さんも居るのに…。
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