第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

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 そんなことを考えながら、東雲は係員に機能や説明を聞いている西門母の姿を眺めていた。西門は新型のイヤホンや〇Padが気になるらしく、さっそく他の店員を呼び止める。 「ここの奥みたいだよ」  東雲は壁に掛かった店内地図を見ながら指を差した。  こーいうの、見ろっーつの。せっかちな西門らしいけど。 「お、ほーかほーか。ほなタッタと見に行こ見に行こ」  西門はニコニコ笑った。東雲が見る西門は、大抵いつでも機嫌がいい。  どうでもいいけど、O阪弁って繰り返し多いなあ。不思議だ。 「決めた。ほなこれにするわ!」  高らかな声が響いた。西門の母は自分よりはるかに背の高い冷蔵庫をポンと叩いた。彼女は東雲と同じぐらいの背格好だから女性としては高い方だ。  早っ! さすがヒョウ柄母さん、決断が早いな。それにしてもでっかい冷蔵庫。 「決まったみたいだよ?」  手を振って奥の通路に居た西門を呼ぶ。 「で、ナンボにしてくれるん?」
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