第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

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 何なんだ?! このテレビドラマみたいなやり取りは。どっかにカメラでもあるのか?  東雲はあっけにとられて、その一連の動作を眺めていた。 「これってもしかしてドッキリか何か?」  今度は東雲が耳打ちすると、西門は両手で腹を押さえた。 「あははは! ちゃうちゃう。これ普通や普通」 「ええ!」 「どんだけ安く買うたかがO阪人には大事やねんで」  東雲はいつか教室で聞いた、阿部や井藤たちのパンツの値段談義を思い出していた。  あ、そういえば。…これが噂のO阪の値切り交渉ってやつか…。 「まさか、東雲んちは定価で買ったりせんよな?」 「…まさかって…」  東雲はぐるっと辺りを見回し今までの電化製品の選び方を思い出していた。  携帯とイヤホンは、専門店で自分で買ったけど…。値札で買ったよな。  他の物は大抵、電気店の営業がやってきてカタログから母親が選んでいた。そこに値引きがあったのかどうかは知らない。ただ、不都合があればすぐにメンテナンスがやってきた。  でも、こんなこと言ったらバカにされそう…。
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