第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

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 ビシッと指を突き付けた様はさながらカエルを飲み込む何とかみたいだ。  うわ~~~~~~~! 何か、凄い迫力。怖いかも! 俺、O阪で店員するの、絶対止めとこ。  東雲は少々青い顔で妙な決心をした。  カエル店員は青い顔をしてそそくさと何処かに消えてしまった。 「オカン。東雲見てみ〜。固まっとるで。もうちょいスマートに出来んか?」  東雲の様子を眺めて、西門がちょっと屈んで口を挟んだ。 「これでも6割パワーやがな」  あ、そうでっか、と西門が肩をすくめる。けらけら笑っている二人の横で東雲は顔を引きつらせた笑いを浮かべた。  やがてカエル店員が駆けてきたと思うと息を整え右手に持った電卓を叩いた。 「定価がこんだけで、割引こんだけの、更に端数を引いて…こんだけぎょうさん勉強させてもらいます!」  勉強? 今、勉強って言った? 何で値切りが勉強なんだ? 大体、あり得ないだろ、その値引き! 定価どこ飛んでったんだよ!  東雲は開いた口が塞がらない状態だ。
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