第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

9/22
前へ
/278ページ
次へ
 西門母はしばらく電卓の数字を眺めいきなり手を大きく振って歌いだした。 「高すぎ~、高すぎ~♬ …ちょっと兄ちゃん! 思わず歌ってまうわ!」 一声怒鳴ったかと思うと西門母はおもむろに手を伸ばし電卓に数字を打ち込む。 「これは?」 「勘弁してくださいよ〜」 「ほな、これは?」 「う〜ん」  泣き出しそうな顔をした店員に同情しつつ、東雲はヒョウ柄母さんの根性にも脱帽していた。  あれだけの値切きから更にか…。さっき言ってた、鼻血も出ないぐらいってどれだけなんだ…。O阪の定価っていったい何の意味があるんだろう…。しかもいつまで続くんだコレ?  それにしてもさっきの歌、何か値下げの意味があるのかな。 「たかすぎ~♪…って?」  思わず呟いて首を傾げた東雲に西門は耳ざとく突っ込んだ。 「え? 東雲、高すぎ~♬って知らん? よ~テレビで言うとるやろ、高すぎ~高すぎ~♬って」  またCMか…。わかった。なんか知らないけど、O阪ではコマーシャルが合言葉みたいなもんなんだな、きっと。
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加