第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

12/22
前へ
/278ページ
次へ
 斜め前に座っているヒョウ柄母さんを見ると、彼女は頷きながら携帯電話をいじっている。  これは西門家では普通なのか?  本日何度目かの衝撃を受けた東雲にかまわず西門が注文を続ける。店内が結構やかましいせいか彼の耳元で大声が響いた。それでなくても西門の声と図体と態度はいつもデカい。 「チャーハン3つ! 唐揚げ5人前。後、ラーメンと肉団子と酢豚と…」  小柄な女の子は相槌もなく、真っ赤な爪で無言のまま注文を打つ。 「後な、お持ち帰りに焼いてる餃子4人前、焼いてない餃子6人前。唐揚げ5人前。今はそんだけ。また後で頼むわ!」  あっけに取られている東雲と対照的に彼女は眉一つ動かさない。  なんか怖いぐらいだ…。けど…このくらいの注文きっと珍しくないんだな…。  平然とした彼女の態度から、東雲はそう推測した。続いて、女の子が店の中央に向かって大きな声で叫んだ。 「コーテル…ガー! ソーハンサンガー!…」  ん? 何て? 中国…語? 日本語じゃないよね? それにしてもハンディ機の意味ある?
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加