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第2話 美形's転校生in関西's男子校
昼休み、東雲は窓際の自分の席から運動場を眺めていた。たくさんの生徒が広い空間で思い思いに動いている。サッカーやキャッチボールやテニス、さまざまだ。
そう言えば、ここってスポーツも盛んなんだっけ…。
国体の常連校だと頭の隅で思い出す。
キンコーン。チャイムが鳴る。
これ、予鈴だよな…。それにしては…。なんか、ガラーンとしてないか?
辺りを見回してみる。西門は席に戻って来ない。それどころか、かなりの席が空いている。
「あ」
本鈴チャイムギリギリ。ダダダダッと足音。十数人が一気に教室になだれ込む。
ガタンと西門が大きな音を立てて席に着いた。
うわ。なんか熱い風が…。 何だ、これ。 太陽の…匂い?
西門から熱気が伝わった気がして、東雲は少々驚いた。
「あ、あのさ、…学食で…結局、君が見つからなくて。でも、さっきはありがとう」
東雲が西門の背に向かって早口で言った。
せっかくランチを取ってくれたんだもんな。量が多すぎて残しちゃったけど。でも、ホントに…。
「美味しかったよ、スペシャルランチ」
「せやろ~!」
西門が身体を捻じって振り向く。
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