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東雲はなるほど、というように頷いた。大勢の賑やかな家庭が西門には似合う気がした。
「妹さん居るんだ。この間、会えなかったね」
「小っこいオカンみたいやでー。そのうち嫌でも会えるわ」
西門が肩をすくめる。
それは…ちょっと遠慮したいタイプかも…。
東雲は曖昧に笑った。
「お祖父さんとお祖母さんも一緒なんだね」
東雲の祖父母は関東近県に居るが会うことは少ない。
「せやねん。そやから、わいの関西弁はジイさんぽいって言われるけどな~。ええやん、関西弁好きやしな」
そういえば、自分のことをわいと呼ぶのは西門だけのような…。でも、それが似合うな。東雲はそんなことを思った。話をしながらも、西門はいそいそと食べる下準備を始めた。
「餃子のタレは、これが美味いんや」
…何だか楽しそうだな。西門はいつも楽しくご飯を食べているんだな。ひとりが気楽な時もあるけど…でも、今日は西門と一緒だ。
そんなことが東雲には不思議に嬉しかった。
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