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わずか数分で餃子がやってきた。少し大きめでこんがりと焼けていい匂いがしている。いただきます、と手を合わせた瞬間、隣に座る西門の温度が上がった、ような気がした。
「…熱っ！」
餃子を一口食べてみて、東雲の頬が綻んだ。
カリッと焼けて歯ごたえと香ばしさが美味しい。タレが酸っぱくて餡が甘くて絶妙だ。
はふはふと口の中で餃子を転がす東雲に、旨いやろー！ と西門の声が飛ぶ。
次々とやってくる料理で大きなテーブルは埋め尽くされていった。どれも大盛りで量が多い。湯気が上がり辺りは美味しそうな匂いで一杯になった。
「しの…君、遠慮せんと早よ食べな、なくなんで」
ヒョウ柄母さんが焦るように声をかけた。
いや、遠慮はしてないんだけど…。
もちろん、東雲もそれなりに箸を動かしている。けれど、よほど空腹だったのか、西門は気持ち良いほど片っ端から料理を平らげていく。
すごい…。まるで千手観音みたいだ…。
料理を取る箸と頬張る口のスピードに、東雲は見惚れるほどだった。
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