第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

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「せやねん! アメリカのパチンコ屋にでも泳いで行ってはんねんやろ~ってオカンは()うねんけどな!」  わははっと笑って東雲の背をバンバン叩く。  痛いって。そうなんだ。…でも、アメリカにはパチンコ屋はないと思うよ…。  東雲はまた視線を店の中に戻した。楽しそうに笑うヒョウ柄母さんの姿が見えた。  西門が、何だか逞しくて頼もしいのはお母さんゆずりなのかな…。  しばらくすると手の平に小さなプラスチックのボトルを持ってヒョウ柄母さんは帰ってきた。 「しのくん、これあげるわ。使こてみて」  シャンプーとリンスのセットだ。試供品らしい。西門が覗き込んできた。 「あ、もしかして、東雲をカットモデルにしようと思てんのちゃうか~?」 「バレたか」 「あ、ありがとうございます。…カットモデル?」  試供品だから、もらっていいよな…。でも、モデルって何のだろう。  英字の書かれたプチボトルをひっくり返して眺めながら口走った東雲に、西門が説明した。
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