第9話 定価買い's転校生㏌O阪お買い物

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 さっと携帯電話を取り出した父親が、番号は? と聞いて来た。東雲は面食らいながら手を振った。 「いいって。俺からちゃんとお礼を言っておいたから」  大体、友達の親の番号なんか知らないよ。なんか、こんなに過保護な人だったかな…小学生じゃあるまいし。 「ああ、そう。じゃ、今度、会ったら私からもお礼を言うよ」  あのヒョウ柄母さんが父さんに会ったら…? 父さんときたら、きっとまず名刺を渡そうとするだろうし、ヒョウ柄母さんは、そんなモン要らんからタコ焼き食べー、とか言いそうだもんな。  何だかおかしくて東雲は噴き出しそうになった。 「君は最近、機嫌がいいね。良いことだ。O阪の水が合ったのかな?」  風呂を沸かすスイッチを押しながら父親がちょっと目尻を下げて微笑んだ。 「うん、そうかもね」  越してきて、まだ数カ月しかたってないなんて。西門に会ってからの4カ月。  不思議とそれが鮮やかに彩られて思い出された。  今日の教訓⑦  O阪の買い物は真剣バトルだ!
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