第10話 心配性's転校生in噂's D組

1/15
前へ
/280ページ
次へ

第10話 心配性's転校生in噂's D組

 月が変わると西門のアメリカ行きの準備が始まりつつあった。 「アメリカってラ〇ンできるんかいな」  東雲の前の席になった3人目、野球部の阿部が携帯電話を片手に聞いてきた。ニキビの多い、スポーツ刈りのよく陽に焼けた生徒だ。いつかの串カツパンツ男子だ。今は甲子園に向けて猛練習の日々らしく、西門と同じように授業中によく寝ている。 「ライ〇は出来るよ。ネットも普通に日本語のサイトに繋がるしね」 「へ~。ほな、どっこも変わらんなあ。クラスのこと、ちょくちょく知らせたろっと」 「時差があるから、すぐには既読が付かないかもしれないけどね」 「え~。ほれ、オモロないやん」  やっぱ、関西人ってせっかちだよな…。日本一歩くの早いって、テレビでもやってたな~。  東雲はかなり関西人の特性に詳しくなりつつあった。 「たっだいま~」
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加