第10話 心配性's転校生in噂's D組

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   その日一日、彼は自分の文字の横に既読が付くのをずっと待っていた。そして既読がついてもなかなか次の書き込みは現れなかった。  次の朝、いつものように教室に入ろうとすると、東雲はまた後ろから誰かに肩をつかまれた。  何だよ、もう。関西人ってすぐに触ってくるなぁ。  軽い仕草でやんわりと振り払う。 「おっはよ~さん!」 「西門!」  いつものようにニコニコと笑いながら、背の高い西門が見下ろしている。そして早口の関西弁が降ってくる。 「昨日、ライン返さんでごめんやで! なんやいろいろあってな~。返そ返そ思てたらガーッて寝てしもて。やっぱ、まだるっこしいな、あーいうの。直接顔見るんがいっちゃんええわ! オカンが入院してるから、あれ持ってこい、これやれ言うて煩そうて。じーちゃんばーちゃんが代わってくれて、やっとお役御免や。今日から普通に今までどおりや。心配させたな~、ごめんやで!」
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