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まだ暑い夕日の中、校庭の隅の方を体操服姿で走っていく細っこい姿が三つ。
ヘロヘロやんか。なんちゅー頼りなさげなフォームや。東雲はホンマに運動が苦手なんやな~。にしても、なんで走ってるんやろ?
「あいつらどないしたんや」
「なんや凸凹したトリオやな」
「C組の仙頭と…ウチのクラスの岡本やん」
西門の頭の中に同じクラスの小柄な男子生徒の姿が浮かんだ。
岡本…あいつも賢コやったな。なんやったっけ、おもしろげな部の部長やってたな。
頭の中に?が山ほど浮かんだ西門は校庭をバッシュのまま走り出していた。
「おお~い! 東雲~!」
「や、やあ…。西門。…お、お疲れ…」
姿に気が付いていたのだろう。西門の方へ少し走って、足を止めた東雲は膝に手をついて俯いてゼイゼイと苦し気な息を繰り返している。
「大丈夫かいな。…何しとんや?」
「いや、ちょっと体力を…つけようと…思ってさ…」
息も絶え絶えの東雲が真っ赤な顔をして彼を見上げる。
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