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「よっしゃ、7時前に行くで。家に居れよ」
阿部が念を押した。
「へ? おお、そりゃ構わんけど…。どないしたんや」
別に断らんでも。阿部は寮生やけどいつもふらっと来んのになぁ?
「絶対、居れよ。じゃな!」
「おう…」
ちょっと首を傾げたものの、彼は阿部の背に手を振った。
何件かのなじみのスポーツ用品店で靴を見て店員とひとしきりNBAの選手の話に花を咲かせた西門は上機嫌で家に帰ってきた。そろそろ空が暮れ始めていた。
「ただいまやで~」
「お~! おかえり~」
ん? なんや、返事がようけあるな~。と思たら、結構メンツ揃てるやん。しかもいい匂いしてるし!
「遅いやんか~。ケイ」
テーブル上のホットプレートでお好み焼きをひっくり返した栗栖が顔を上げた。皿、マヨネーズ、ソース、鰹節をそれぞれ持った井藤と阿部、宇野、その他の面々が早速、箸を伸ばす。
「おかえり~。先、食ってんで」
「栗栖はお好み焼き焼くの上手いよな~。店、出来るわ。俺、毎日行くで」
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